マシ三選択
──電源・水・足元、災害発生後の現実解
地震が起きた瞬間、停電の暗闇の中で、断水した翌朝に──「何をしたらいいのか分からない」という方は少なくありません。普段は冷静な方でも、災害発生後は判断が鈍ります。完璧な対応は無理。だからこそ、「何もしないよりマシ」を選ぶ判断軸を、事前に頭に入れておくことが大事です。
ここで美美Styleが提案するのが、マシ三選択──「電源・水・足元」の3つで、災害発生後の現実解を判断するフレームワーク。「ズボラ防災 五軸」が避難所サバイバル、「防災収納三原則」が事前の備えを扱ったのに対し、こちらは災害発生後の判断軸を扱う続編です。
平成30年に胆振東部地震を経験して、停電と断水のなかで「マシを選択する」発想にたどり着いた美容家サリーが、防災のリアルな現場での思考、ここに公開!(笑)
なぜ「マシ」なのか
防災の話になると、「完璧に備える」「プロのように対応する」というイメージが先行しがちです。けれどサリーが胆振地震で実感したのは、完璧は無理ということ。停電は突然始まり、断水で何もできず、どこから手をつければいいか分からない瞬間が必ず訪れます。
そこで効くのが、「マシ」を選ぶ発想。
- フルメイクは無理 → でも紫外線パウダーだけは塗る(紫外線三戦線が効きます)
- 完璧な備蓄は無理 → でも甘いものは確保する
- 完璧な避難準備は無理 → でも足だけは守る
サリーが繰り返し伝えるのが、「何もしないよりはるかにマシ」「少しずつマシなことをしたほうが、大きな差が出る」というメッセージ。完璧主義を捨てて、マシを選び続ける。これが現実的な防災のあり方です。
そのうえで、災害発生後に判断する3つの軸を順に見ていきます。
第一の選択 ──「電源」:暗闇との戦い
最初の選択は、電源。
停電は予告なく始まり、いつ復旧するか分かりません。胆振東部地震では北海道全域がブラックアウトし、復旧に丸2日かかった地域もありました。暗闇は不安を増幅させるので、電源確保は精神的にも重要です。
第一階層:懐中電灯・乾電池
最低限備えたいのが、懐中電灯と予備の乾電池。サリー本人はパナソニックの雨の中でも使える懐中電灯を愛用しています。インテリアの邪魔にならないデザインで、玄関やリビングに置いても違和感がありません。
スマホのライトでも代用できますが、スマホは情報収集と通信のために温存したいもの。専用の懐中電灯があると、両立できて安心です。
第二階層:ポータブル電源
余裕がある方には、ポータブル電源もおすすめ。災害時の数日間、スマホの充電・小型扇風機・電気毛布などが使えるレベルのものなら、停電期間中の生活がぐっと楽になります。価格帯は様々なので、できる範囲で備えるのが大事。
第三階層:自家製保冷剤
冷蔵庫の食材を守るための裏技として、ポリ袋に水を入れて冷凍庫で凍らせておくやり方があります。停電時はこれをクーラーボックス(または発泡スチロール箱)に移すだけで、簡易の冷蔵保管ができます。
これは普段から仕込んでおけるので、ふだんから「冷凍庫に水を凍らせておく」習慣をつけるだけで、いざという時の対応力が変わります。映えない準備ですが(笑)、確実に効きます。
第二の選択 ──「水」:断水時の身を守る選択
二つ目の選択は、水。
断水になった瞬間、最初に困るのは飲み水ではなく、トイレと身体の清潔です。サリーが胆振地震で実感したのも、この2つの問題でした。
トイレ問題:黒ポリ袋とにおい遮断袋
「生きてる上で絶対必要なトイレ」── これがサリーの地震体験からの実感。
正規の防災トイレ(凝固剤+ポリ袋)を備えるのが理想ですが、置き場所がない方は黒いポリ袋・においを遮断する袋だけでも準備しておく価値があります。便器の中に黒ポリ袋を二重にして使い、用を足したら口を縛る。これだけでも、何もないよりは何倍もマシです。
「安心安全は、足が生えてこっちに歩いてきてくれることはない」──これがサリーらしい表現。できる範囲で、できることをやるしかない、という現実を受け入れる発想です。
髪と頭皮:ドライシャンプーは「無香料」を
断水でお風呂に入れない時間が続くと、髪と頭皮の不快感が一気に強まります。ここで活きるのがドライシャンプー。
ここでサリーが強く伝えたいのが、ドライシャンプーは「無香料」を選ぶこと。
理由は、性被害・盗難の予防。災害時は社会全体が異常状態にあり、考えられないことが起きます。香りを楽しむタイプのドライシャンプーは、平時には素敵ですが、災害時には犯罪を引き寄せる可能性があるのです。
「清潔は保っても、清潔感は捨てる」──これがサリー独自の防災メッセージ。「清潔」と「清潔感」は別物で、異常事態の中では『汚らしく見えるほうがマシ』という現実があります。
スキンケア・メイクは「マシを選ぶ」
紫外線三戦線の話に通じますが、断水時でもメイク落としを最低限する。せめて紫外線パウダーだけは塗る。「ニキビができてもいいから紫外線対策はする」という発想です。サリー本人、胆振地震のあともシミができていないのは、この「マシ選択」を続けたから。
化粧品は贅沢品ではなく、皮膚という臓器を守るアイテム。「皮膚は臓器のひとつで、一番体調が分かりやすい臓器」だからこそ、できる範囲で守る価値があります。
第三の選択 ──「足元」:歩ける身体を保つ
三つ目の選択は、足元。
地震で家具やガラスが落ちた状態で、足を怪我したら避難すらできません。サリーが繰り返し伝えるのが、「足を怪我しないことが、何より大事」ということ。
第一階層:スリッパを履く習慣
最も簡単で効果的なのが、家の中で常にスリッパを履く習慣。普段からスリッパを履いていれば、地震直後に「素足で破片を踏む」リスクが大幅に減ります。
「防災スリッパ」と呼ばれる、底に板が入った製品もあります。普通のスリッパよりやや高めですが、安心感はぐっと上がります。気に入ったデザインのものを選んで、毎日履く──これが「マシ」の積み重ねです。
第二階層:寝室にスニーカー
サリーが実践しているのが、寝室にスニーカーを置いておくこと。地震が来たら、寝室で素早く靴を履いて行動できる体制を整えます。
このスニーカーには、鉄板入りインソールを入れています。1,000円くらいで作業用品店で買え、通販でキッズサイズもあるので家族全員分そろえやすい。「足を守る努力をしましょう」──というのが、サリーの定番メッセージです。
第三階層:日常の片付けが防災になる
足元を守るための究極の対策は、日常の片付けそのもの。
「使った食器をすぐ洗ってすぐしまう」「地震が来たら凶器になるものは床に置かない」──これは防災収納三原則と完全に繋がります。日々の整理整頓が、災害発生後に足を守る最大の対策になっています。
「家事をこなすことも立派な防災」──サリーの言葉を、毎日の暮らしに持ち帰ってもらえたらうれしいです。
三選択を支える哲学 ──「楽しいことで頭をいっぱいにする」
ここまで電源・水・足元の3軸を語ってきましたが、最後にお伝えしたいのが、メンタル面の大事さ。
防災の話ばかりしていると、不安が増幅して逆効果になります。サリーが推奨するのは、「楽しいことで頭をいっぱいにする」メンタルケア。
- オシャレを楽しむ
- インテリアを整える
- 美容を続ける
- 家族や友達との時間を大事にする
これらは「贅沢」ではなく、いざという時に踏ん張れるメンタルの土台です。健康少額投資で語った「コツコツ続けるが効く」の発想が、防災にも当てはまります。
「地震は怖い、私も怖いし不安です。だからこそできる備えをする」──これがサリーの一貫した立場。怖さを原動力に、完璧ではなく『マシ』を選び続ける。これが続く防災です。
まとめ ──三選択で、現実を生き抜く
マシ三選択を、災害発生後の判断チェックリストとして並べてみると、こんな感じです。
ひとつ、電源:懐中電灯・ポータブル電源・自家製保冷剤で暗闇と冷蔵問題に備える。
ふたつ、水:黒ポリ袋・ドライシャンプー(無香料)・パウダーで断水時の身を守る。
みっつ、足元:スリッパ・寝室スニーカー・日常の片付けで足の怪我を防ぐ。
3つすべてに共通するのは、「マシ」の発想。完璧は無理だけど、何もしないよりはるかにマシ。少しずつマシなことを積み上げるほうが、結果的に大きな差を生みます。
「ズボラ防災 五軸」「防災収納三原則」「マシ三選択」の3本セットで、事前準備+家の中+災害発生後の防災が一気通貫で揃いました。胆振地震を経験したサリーの実感が詰まった、現実的な防災のフレームワーク。次に「もしも」が来たとき、ぜひこの3つの選択を思い出してください。
「清潔は保っても、清潔感は捨てる」──このサリーの言葉が、災害発生後の判断軸になります。マシを選ぶことは、決して妥協ではなく、生き抜くための賢い選択です。
あわせて読みたい
- ズボラ防災 五軸|食・服・足・電源・美容で頑張らずに備える
- 防災収納三原則|食器の高さ・買い物ついで備蓄・バッグ分けで作る、家の中の防災
- 紫外線三戦線|室内・室外・習慣で守る、シミを作らない通年UV対策
よくあるご質問
- Q. マシ三選択とは何ですか?
- A. 災害発生後の判断軸を「電源・水・足元」の3つに整理した、美美Style独自のフレームワークです。「ズボラ防災 五軸」が事前の備え、「防災収納三原則」が家の中の備えなのに対し、「マシ三選択」は災害発生後の現実的な判断軸です。完璧を目指さず「何もしないよりマシ」を選ぶ発想で、胆振東部地震を経験したサリーの実感に基づいています。
- Q. 「マシを選ぶ」とは具体的にどういうことですか?
- A. 「完璧は無理でも、何もしないよりはるかにマシ」という選択を、災害時にし続けることです。フルメイクはできなくても紫外線パウダーだけはする、完璧な避難準備は無理でも足だけは守る、完璧な備蓄は無理でも甘いものだけは確保する──こうした小さなマシ選択が、結果的に大きな差を生みます。
- Q. なぜドライシャンプーは「無香料」がいいのですか?
- A. 災害時の性被害・盗難の予防のためです。災害時は社会全体が異常状態にあり、香りつきのドライシャンプーは「清潔感」を演出して、犯罪を引き寄せる可能性があります。「清潔は保っても、清潔感は捨てる」という発想で、無香料を選ぶのが安全です。
- Q. 停電時の冷蔵対策はどうすればいいですか?
- A. 普段からポリ袋に水を入れて冷凍庫で凍らせておくだけで、停電時の自家製保冷剤になります。クーラーボックス(または発泡スチロール箱)に移して食材を移すだけで、簡易冷蔵が成立。事前準備にお金がかからず誰でもできる裏技です。
- Q. 寝室にスニーカーって本当に必要ですか?
- A. 必要です。地震が来た瞬間に素足で行動すると、ガラスや家具の破片で足を怪我するリスクがあります。鉄板入りインソールを入れたスニーカーを寝室に置いておくと、すぐ履いて行動できる体制になります。1,000円程度で作業用品店で買え、通販でキッズサイズもあります。
- Q. 防災のメンタルケアはどう考えればいいですか?
- A. 「楽しいことで頭をいっぱいにする」ことが、サリーがおすすめするメンタルケアです。オシャレ・インテリア・美容・家族との時間──これらは贅沢ではなく、いざという時に踏ん張れるメンタルの土台になります。怖さを原動力に、完璧ではなくマシを選び続ける。これが続く防災です。