映えない収納が最強
──空き箱・紙袋・壁美人で作る、賃貸インテリアの3順位
SNSで「収納術」と検索すると、白で統一された美しい棚、揃いのプラスチックケース、ラベルを貼ったスタッキングボックスが並びます。確かに見映えはいいのですが、それを真似して買い揃えたものの、長続きしなかった経験はありませんか?「映える収納」を目指してプラケースを大量に買い、引っ越しのときに処分に困った──というご相談もよくいただきます。
ここでは美美Styleが提案する映えない収納が最強という考え方をまとめます。順番は「ある物・賃貸拡張・買い足し」の3つの順位で、ある物から考えて、買い足しは最後。映え重視のインテリアからは出てこない、現実的な収納の整え方です。
「映えなくてすみません」と毎回笑いながら冷凍庫の紙袋収納を見せている、サリーが10年以上の賃貸暮らしでたどり着いた答え、ここに公開!(笑)
なぜ「映えない」のか
整理収納のコラム整理収納と「割れ窓理論」で、片付けは意志ではなく環境設計だ、と書きました。映える収納を目指すこと自体は悪くないのですが、「映え」が目的になると、続かないというのがサリーの感覚です。
理由はシンプルで、映える収納はモノが少なくキレイな状態でしか維持できないから。引き出しを開けたときの色が揃っている、ラベルがピタッと並んでいる、フタの形が同じ──こうした美しさは、生活が動き始めた瞬間に崩れます。崩れるたびにストレスを感じて、結局は片付けられなくなる。
逆に「映えない収納」は、最初から映えないので、多少崩れても気にならないのが強みです。空き箱が斜めになっていても、紙袋が少しヨレていても、ちゃんと使えていれば問題ない。これが、長く続く収納の本質です。
ここからは、サリーがおすすめする3つの順位を順に見ていきます。
第一順位 ──「ある物」:空き箱と紙袋が、最強の収納グッズ
サリーがいちばん最初におすすめする収納グッズは、何だと思いますか?
答えは、空き箱と紙袋。お菓子の缶、靴の箱、ブランドショップの紙袋、デパートの包装紙袋──家にあるこういうものが、実は最強の収納グッズです。
サリー本人が空き箱や紙袋を見ると、ウキウキしちゃうそうです。なぜなら、空き箱と紙袋には3つの強みがあるから。
ひとつ目、汚くなったらすぐ捨てられる。プラスチックケースは汚れたら洗わないといけませんが、紙袋は捨てて新しいものに入れ替えるだけ。冷凍庫や冷蔵庫の中など、汚れやすい場所には特に向いています。
ふたつ目、ハサミで切ればサイズ自由自在。市販の収納ケースは「ぴったり合うサイズが見つからない」ことがよくありますが、紙袋なら高さも幅もハサミ1本で調整できます。
みっつ目、缶箱ならマグネットも併用できる。お菓子の缶を冷蔵庫の中で使うと、マグネットで仕切りを足したり、ラベルを貼り替えたりできます。
冷凍庫の中に紙袋で仕切りを作ると、本当に映えません。けれど、冷凍したものが立てて並べられて、上から見渡せて、取り出しやすい。映えなくても、使える。これが第一順位の核です。
「収納グッズに悩んでいる」という状態のときも、紙袋は仮の仕切りとして優秀です。買う前にまず紙袋で1ヶ月使ってみる。それで困らなければ、そのまま紙袋を使い続ければいい。困ったら、その時点で初めて買い足しを検討する。これが第三順位への自然な流れです。
第二順位 ──「賃貸拡張」:押し入れの後ろと、壁美人
家にある物で足りなければ、次は今の住まいを拡張することを考えます。賃貸でもできる拡張方法が、実は意外と多くあります。
押し入れの「奥行き」を活かす
押し入れがある住まいなら、その奥行きを最大限活用するのがおすすめです。サリーが推奨するのは、奥側にカラーボックスを仕込むやり方。押し入れの奥にカラーボックスを入れると、収納力が一気に倍以上になります。
衣類を収納する場合は、ホチキス棚で耐荷重100kgのポールを補強します(後述の「壁美人」シリーズで対応可能)。ポールが落ちるリスクを減らせて、コートのような重量のあるものでも安心して掛けられます。
下段はほこりが入りやすいので、キャスタータイプの引き出しを入れて掃除しやすくしておきます。これが地味に効きます。掃除のしやすさを最初の段階で組み込むかどうかで、半年後の押し入れの状態が変わります。
ふすまが邪魔に感じる場合は、外してカーテンに変えるのもアリです。和風が苦手な方や、北欧テイストにしたい方には、これだけで雰囲気がガラッと変わります。
賃貸でも棚が増やせる「壁美人」
「ここにちょっとした棚があったらな~」なんて思ったことはありませんか?
賃貸暮らしの方に、サリーが10年愛用しているのが壁美人というホチキス棚です。ピンを刺すのではなく、ホチキスで壁に固定するタイプの棚なので、退去時の壁の傷がほとんど目立たないのが最大の特徴です。
ホチキスと侮るなかれ。壁美人のシェルティシリーズの一部は静止荷重15kgまで対応していて、洗面所のタオル掛け、玄関の鍵かけ、本棚の追加など、賃貸の収納問題を一気に解決してくれます。鉄アレイをぶら下げて丈夫さを証明している公式サイトの写真は、見ると安心します。
サリー自身、長年愛用していますが、地震などで落ちてきたことはまだ一度もないそうです(札幌は胆振東部地震を経験している土地ですから、これは結構な実績です)。賃貸×防災の両立を考えるなら、壁美人は最有力候補です。
タンスは「災害リスク」とセットで考える
賃貸で重い家具を置く場合、タンスは倒れないように必ず補強します。押し入れがあるなら、まず押し入れを使い切ってから、それでも足りない分だけタンスを置く。
どうしても置く場合は、倒れても極力ケガをしない配置を心がけます。ベッドの近くに高い家具を置かない、避難経路を塞がないように壁際にする、といった基本ですが、ここはズボラ防災の発想ともつながります。詳しくはズボラ防災 五軸で解説しています。
第三順位 ──「買い足し」:選ぶときの3つの注意
第一順位と第二順位で足りなければ、ここで初めて買い足しを検討します。買い足すときに、サリーが必ず伝えている3つの注意があります。
注意ひとつ ──家具の色は「白」がいちばんラク
家具選びの色で迷ったら、まずは白を選ぶのがおすすめです。理由は2つ。広く見えること、そして家具メーカーを統一しなくてもインテリアコーディネイトがしやすいことです。木目や色つきは、テイストを揃えないとちぐはぐになりがちで、複数の店で買うと特に難しくなります。白なら、IKEA・無印・ニトリを混在させても揃って見えます。
注意ふたつ ──無印良品の「透明プラ商品」は買わない
ここで、サリーがあまのじゃくで恐縮ですが──無印良品の透明プラスチック商品はおすすめできません。
レビューを丁寧に読むと、「日光にさらしてないのに黄ばむ」「年々薄くなってる」「経年劣化がひどい」という声がしっかりあります。サリーのお客様の家でも、コロナ前に購入した無印の透明プラ商品が黄ばんでいたというご報告がありました。サリー自身の家にも、前世が無印良品の棚があり、黄ばみがひどすぎて魔改造したそうです(笑)。
無印良品は素晴らしいブランドで、サリーも普段使いしていますが、透明プラ商品だけは別。これから購入する方は、白いタイプのみ買うのが正解です。これだけは強く伝えたいポイント。
注意みっつ ──キッチンには「とにかく置かない」を最優先
キッチン回りの収納用品を買うときの基本は、できるだけモノを置かないこと。サリーのキッチンは、本当にカウンターの上に何も置いていません。理由は、地べたや天板に何かを置くと、汚部屋への近道になってしまうから。
それでもどうしても必要な道具を置く場合は、IKEAのヴァリエラシリーズの鍋ぶたオーガナイザーのような、引き出しの中で立てて収納できるものがおすすめ。鍋洗いの時だけ出して、サッと洗ってサッとしまう運用ができます。
100均バスケットで揃えたお風呂収納も同じ発想です。安価で気軽に使えて、汚れたら買い替えられる。「見せる収納」より「すぐ使えてすぐしまえる」を最優先で考えるのが、ズボラさんに合う収納です。
3つの順位を組み合わせると ──「映えないけど続く」収納が完成する
映えない収納の3つの順位を、収納に困ったときの判断順序として並べてみると、こんな感じです。
ひとつ、ある物:家にある空き箱・紙袋・缶を最初に試す。1ヶ月使って困らなければ、それで完成。
ふたつ、賃貸拡張:押し入れの奥行き・壁美人のホチキス棚。買い足し前に、住まい自体を活かす。
みっつ、買い足し:色は白、無印の透明プラは避ける、キッチンには置かない。買うなら厳選。
順位を逆にして、最初から買い足しから入ると、お金もモノも増えるばかりで、収納問題は解決しません。「ある物 → 拡張 → 買い足し」の順番を逆走させないこと。これが、映えない収納が最強たる所以です。
映え推しの世界に、映えない選択肢を ──サリーからの提案
SNSもインテリア雑誌も、映える収納で溢れています。けれど、毎日の暮らしの中で本当に効くのは、映えない紙袋と空き箱、賃貸でも頼れる壁美人、白の家具と100均のバスケット。
サリーが10年以上の賃貸暮らしで体感してきたのは、映えない収納のほうが、結果的に長く続くということ。続く収納が、いちばんラクで、いちばんキレイです。
「収納用品を新しく買おうかな」と思った瞬間に、ぜひ家の中を見渡してみてください。空き箱や紙袋が眠っていないでしょうか。それを使って1ヶ月過ごしてみる──これが、収納問題を解決するいちばん安上がりで、いちばん効く方法です。
あわせて読みたい
よくあるご質問
- Q. 映えない収納が最強とはどういう意味ですか?
- A. SNSで映える「白で統一された美しい収納」を目指すより、家にある空き箱や紙袋など映えないアイテムで作る収納のほうが、長く続いて結果的にキレイを保てる──という美美Style独自の考え方です。「ある物・賃貸拡張・買い足し」の3つの順位で、買い足しは最後にする。映えを目指さないからこそ、多少崩れても気にならず、続けやすくなります。
- Q. なぜ空き箱や紙袋が最強なのですか?
- A. 3つの理由があります。汚くなったらすぐ捨てられること、ハサミで切ればサイズ自由自在なこと、缶箱ならマグネットを併用できること。冷凍庫の仕切りや、引き出しの中の細かい仕切りには、紙袋がいちばん向いています。映えないですが、使い勝手は本当に最強です。
- Q. 賃貸で棚を増やしたいです。どうすればいいですか?
- A. 壁美人というホチキスで取り付けるタイプの棚がおすすめです。ピンと違って退去時の壁の傷が目立たず、シェルティシリーズの一部は静止荷重15kgまで対応します。サリーも10年以上愛用していて、地震などで落ちてきたことはまだないそうです。札幌のような地震リスクがある土地でも安心して使える収納拡張アイテムです。
- Q. 無印良品のプラスチック商品はダメなのですか?
- A. 透明プラスチック商品だけは、おすすめしません。日光に当てていなくても黄ばむ、年々薄くなる、経年劣化が早い、というレビューがしっかりあります。サリー自身も、お客様の家でも、コロナ前に購入した無印の透明プラ商品の黄ばみを確認しています。これから購入するなら、白いタイプのみにするのが安心です。
- Q. 家具の色は何を選べばいいですか?
- A. 迷ったら白がいちばんラクです。広く見える効果があり、家具メーカーを統一しなくてもまとまって見えるためです。IKEA・無印・ニトリを混在させても揃って見えるのが白の強みです。木目や色つきは、テイストの統一が難しいので、最初の1セットを揃えてから検討するのがおすすめです。
- Q. インテリア・収納の相談はできますか?
- A. はい、インテリアトータルレッスンで対応しています。座学で収納とインテリアの基礎知識を学んでから、ご自身のお住まいに合わせた実践に進む形です。賃貸でもできる拡張方法、買い足しの優先順位まで、お一人おひとりの暮らしに合わせてお伝えします。詳しくは美美サービスのページをご覧ください。